【東京】国際的な市場調査会社であるユーロモニターインターナショナル(以下、当社)は、2023年の商業を再定義するであろう主要なデジタルショッパートレンド5つを解説するウェビナー(英語)を発表しました。
本ウェビナーは、新しいテクノロジーが2023年のeコマースにどのような影響をもたらすかを理解し、同年以降も、企業やブランドに大きな影響を与える主要なデジタルトレンドを特定することを目的としています。
同ウェビナーによると、現在、デジタルコンシューマーに分類される人々は、2009年時点に比べ、約34億人増加しました。また、2023年、商品やサービスへのオンライン支出は、全世界で10兆米ドルに達すると予測されています。
今回、当社が特定した主要デジタルショッパートレンドは以下の通りです。
- オンラインで節約(Online Savers)
現在、世界のインフレ率は約6.4%に達している。消費者がこうした経済情勢に対応し切り詰める中、デジタル・プラットフォームはサービスを進化させている。
- クラウドソーシングによる創造(Crowdsourced Creation)
SNSは、消費者がブランドとコミュニケーションをとり、製品のイノベーションプロセスに影響を与えることができる、クリエイティブな空間となった。世界のデジタルコンシューマーの41%が、ブランドと関わりを持ちたいと考えている。
- オンライン体験のカスタマイズ(E-Customisation)
47%の消費者はカスタマイズされた体験を求めている。小売業者やサービスプロバイダーは、オンライン体験を向上させることでオンライン消費者を囲い込みやすくなる。
- ゲーミフィケーション(Game-Changers)
企業は提供するオンライン体験をゲーム化し、特典や競争の要素を通して顧客エンゲージメントを促進している。2022年、世界のデジタルコンシューマーの55%が、最低週1回はスマホゲームを楽しんでいると回答している。
- 感覚的ショッピング(Sensory Shopping)
テクノロジーの進化により、企業やブランドは、より多感覚的なデジタル体験の創造を進めるだろう。消費者の31%は衣服をデジタルで試着したいと考えている。また、バーチャルリアリティやスマホ向けに最適化されたビデオコンテンツが、人々の対面での行動に関連する感情を強めることがデータから明らかになっている。
AIが消費者とブランド間のギャップを縮める
消費者のデジタル化が進むにつれ、人工知能(AI)をはじめとした新興テクノロジーが、顧客インタラクションや共創プロセスを効率化する役割を、今後ますます果たすようになるでしょう。
当社が2022年11月から12月にかけて実施した「ボイス・オブ・ザ・インダストリー:デジタルサーベイ」調査によると、業界関係者のほぼ3人に1人が、AIがすでに自社の製品開発に影響を与えていると回答しています。さらに32%の回答者が、1年間以内の、36%が今後5年以内のAIの影響を予想しています。
また、SNSが、表現の自由と創造性を育む空間へと進化していることも明らかになりました。これにより、消費者はブランドと直接コミュニケーションをとることができるようになり、ブランドの内部戦略に影響を与え、消費者とブランドに共創の機会をもたらしています。
世界のデジタルコンシューマーの41%が、企業と積極的に関わりたいと考えています。中でもミレニアル世代は、製品イノベーションに影響を与えたいという思いが最も強く、同世代の55%がすでにブランドと関わりを持っています。
そして、セール商品を見つけること(特にオンラインで)は、消費者にとって常に大きな購買動機のひとつであり、彼らが生活費の上昇に悩む中で、さらに重要なものとなっています。
当社のリテールおよびデジタルコンシューマーインサイト・グローバル統括マネージャーであるミシェル・エヴァンス(Michelle Evans)は次のように述べています。
「今日の消費者はデジタルツールにすぐにアクセスでき、このことは彼らが現在の経済不況の中を乗り切るうえで役に立っている。プラットフォームを活用してディスカウント品を探したり、中古品ショッピングサイトにアクセスしたり、オンライン・コミュニティで近所の人と一緒に大量注文をしたりと、さまざまなことが可能だ。不確実な経済状況の中で、過去10年進んだデジタル接続性はさらに進化を遂げるだろう。現在の不況下、節約を支援したり収入をもたらすアプリやウェブサイトは向こう一年間で利用者がさらに増えるだろう。」
2023年、テクノロジーによって消費者のショッピング習慣がどのように変容しているか、より詳しくお知りになりたい方は、ユーロモニターのウェビナー「2023 Digital Shopper Trends」をご覧ください(プレゼンテーション資料もダウンロードいただけます)。
- 以上 -
報道機関の方へ:
- 2023年、世界のインフレ率は4%に上昇する見込み。
- ミレニアル世代の55%が、製品イノベーションに影響を与えるためにブランドと関わりたいと考えており、この割合は他のどの世代よりも高い。
- 世界の15~29歳のデジタルコンシューマーの34%が、少なくとも週に1度はオンラインで商品やサービスを購入すると回答している。
- ユーロモニターが2022年に実施した「ボイス・オブ・ザ・インダストリー:デジタルサーベイ」調査によると、デジタルコンシューマーの60%が、無料の特典やオファー、体験を得るために自分のEメールアドレスを共有したと回答している。
- より多くのブランドが多感覚的なデジタル体験を作り出すなど、感覚的ショッピングは増加傾向にあり、世界のデジタルコンシューマーの29%が、バーチャルでのメークアップや製品購入前のタッチアップのために、ビューティーアプリを使用したことがあると回答している。
- 中古品を購入または利用しているデジタルコンシューマーの割合は、2019年の46%から、2022年には54%まで上昇している。
- 小売業界専門家の50%が、よりカスタマイズされた買い物体験が今後5年間に大きな影響を与えるだろうと答え、46%は消費者中心の戦略が、向こう12か月のビジネスにとって最も重要であると考えている。
報道関係の方のお問い合わせ先:
ユーロモニターインターナショナル
鈴木 健太郎(すずき けんたろう)
Tel: 03-3436-2100
info-japan@euromonitor.com
ユーロモニターインターナショナルについて
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